2018.04.22
ジョージ・オーウェルの世界
マンスリープロジェクト
新国立劇場小劇場
トーク
マンスリープロジェクト「ジョージ・オーウェルの世界」@新国立劇場小劇場。 「1984年」新訳版翻訳者の高橋和久東大名誉教授による90分、とても面白かった。 下を向いてレジュメを見ながら訥々と話すのですが、ユーモアと皮肉も沢山。撞着語法の例で「楽しい授業」とか。こんな授業なら楽しいですよ。2018-04-22 19:23:59 GMT+9:002018-04-22 19:23:59 GMT+9:00
元々は1984年に関する話をしてくれという事だったのに、いつのまにか「ジョージ・オーウェルの世界」というタイトルが勝手につけられた(改竄された)そうで、それならばとこちらも勝手に「George Orwell, Nineteen Eighty-Four をめぐる(狸の?)夜話」にしますと。2018-04-22 19:28:59 GMT+9:002018-04-22 19:28:59 GMT+9:00
これ、どこまで本気なのかわからないのだよな。元々改竄がテーマの1つの作品でもあるから、これが枕だったのかもしれないし、最後には、このタイトルは「た抜きの夜話」つまり「与太話」でした、でしめちゃうんだもん。 狸に化かされたような、という(笑)2018-04-22 19:31:04 GMT+9:002018-04-22 19:31:04 GMT+9:00
「ジョージ・オーウェルの世界」 高橋先生「1984年」を訳された方だけあって、現代日本の言葉の使われ方にはかなり思う所があるようで。 発言を撤回するって、なんで発言は撤回できるんですかね。暴力を振るって人を殴ったあとに、さっきの暴力は撤回します、というのは出来ないでしょ、みたいな話も。2018-04-22 19:47:51 GMT+9:002018-04-22 19:47:51 GMT+9:00
優れた風刺作品は時代によって様々な読まれ方をすると。 出版された直後は、保守側から、全体主義=共産主義という解釈でソ連の侵攻への反対という文脈で使われたとか。 第二次世界大戦の頃はナチスと重ね合わせた人が多いだろうし。 現代では、post-truth や alternative fact が重要な要素に。2018-04-22 20:00:18 GMT+9:002018-04-22 20:00:18 GMT+9:00
「ジョージ・オーウェルの世界」 高橋先生、いかにも学者だなぁと思ったのだけど、断定的に話す部分から非常に微妙な言い方をする所までバリエーションが多くて。 「地の文がどこまで客観的事実かはっきりしない、とまでは言えないが、はっきりしないという気がしないでもない」みたいな(笑)2018-04-22 20:07:47 GMT+9:002018-04-22 20:07:47 GMT+9:00
「ジョージ・オーウェルの世界」 改めて翻訳の難しさを感じたりも。 主人公が彼女との会話で5回連続Yesと答える部分と、オブライエンとの会話で8回連続Yesと答える部分、同じ言葉では訳せなかったと。 訳文をあたってみたら、彼女相手には「ああ」、オブライエン相手には「あります」に訳してあった。2018-04-22 20:13:37 GMT+9:002018-04-22 20:13:37 GMT+9:00
「ジョージ・オーウェルの世界」 地の文の信頼の話で、ドクター・○○○○○の手記が云々と語尾を濁されていて、「○○○○○○○」系のネタバレだからかなと思ってたのですが、検索したらそれ自体で。自分が語り手の名前を忘れていたのだった(笑) https://t.co/pY3T8dtmMU2018-04-22 20:27:25 GMT+9:002018-04-22 20:27:25 GMT+9:00
「ジョージ・オーウェルの世界」 「1984年」は三人称なのだが主人公に寄り添った視点で書かれている。面白かったのが、不審な状況を主人公視点で「驚いた事に」と書く事で、読者の驚きを軽減するという話。 なるほど、主人公がそこで驚かなかったら、不自然さを伏線だと思ってさらに怪しんじゃうよな。2018-04-22 20:32:33 GMT+9:002018-04-22 20:32:33 GMT+9:00
「ジョージ・オーウェルの世界」 冒頭で高橋先生が、舞台を見た人見ない人アンケートの後に、「原作を読んだ人」「原作をこれから買おうと思ってる人」も手を挙げさせたのだけど。 多分、どちらにも挙げられなかった「原作を買ったのに読み終わってない人」が、かなりの人数いたんじゃないでしょうか。2018-04-22 21:24:45 GMT+9:002018-04-22 21:24:45 GMT+9:00
というわけで、私もこれから「1984年」の残りを読みます(笑)2018-04-22 21:30:17 GMT+9:002018-04-22 21:30:17 GMT+9:00