2020.02.23
マノン
新国立劇場バレエ団
新国立劇場オペラパレス
バレエ
新国立劇場バレエ団「マノン」@新国立劇場オペラパレス、幕間。 米沢さんは、サポートされていてもリフトされていても自立している感じがあったりするのだが、今回はそれをかなり意識的にやってるんじゃないかな。 状況に流されるのではなく、全て自分の意思で選ぶマノンに見えて、かなり好きだ。 https://t.co/aJVxiTFyej2020-02-23 16:06:02 GMT+9:002020-02-23 16:06:02 GMT+9:00
「マノン」 寝室のパ・ド・ドゥは、その後のレスコーとムッシュGMとのトロワと一緒に見てこそ、マクミランの振付の価値がわかるような。この2つををどう踊り分けるかだよね。 米沢さんは、全然溺れないんだよね。レディ・ベスというか、恋と社交界の女王を秤にかけて、女王を選んだような。2020-02-23 16:10:06 GMT+9:002020-02-23 16:10:06 GMT+9:00
「マノン」 1幕の最後、豪華なローブを羽織って、ベッドの横に立つマノン。寝乱れたベッドを見つつ、手ではローブの肌触りを確かめていて。 先日「メアリ・スチュアート」を見て、昨日が「ヘンリー八世」だったせいもあるんだけど、「そう、わたくしは恋ではなく女王の座を選ぶのだわ」という風情で。2020-02-23 16:13:06 GMT+9:002020-02-23 16:13:06 GMT+9:00
「マノン」 2幕は、女王が、美貌と直情だけが取り柄の男に情けをかけたがために破滅する話だったと思う。 途中までは完全にデ・グリューの事をいなしてるのに、涙目ですがりつかれた途端にダメなんだよね。どんな男も女も斬って捨てられるのに、雨に濡れたゴールデンレトリバーだけは拾っちゃうの。2020-02-23 17:16:59 GMT+9:002020-02-23 17:16:59 GMT+9:00
「マノン」 2幕で多くの男性と踊るパート、かなり陰惨に見える事もあるんだけど、これは米沢さんの本領発揮というか、どれだけ沢山の男にリフトされてても、完全に自分で自分をコントロールしてる雰囲気なのだ。サーカスのエアリアルとかの、自分で無機物操作して宙に浮いてるぐらいの感じ。2020-02-23 17:20:41 GMT+9:002020-02-23 17:20:41 GMT+9:00
「マノン」 2幕のラストが、ある種呪術的に見えた。あのブレスレットは王冠なんだと思う。決して手から外してはいけなかったのに、それをデ・グリューが無理矢理に取ってしまったがために、マノンは簒奪追放となり、親族も殺される。 極端な事を言うと、あの瞬間で話は終わりで、あとはエピローグ。2020-02-23 17:29:20 GMT+9:002020-02-23 17:29:20 GMT+9:00
「マノン」終演。 かなり変則的なキャラクター解釈だと思うのだけど、とても満足した。ムンタギロフ、来てくれてありがとう。彼のサポート力なしではあり得なかった舞台かと。 3幕のマノンは登場した時にすでにほとんど死んでいる。とても細いのと眉を短くまっすぐ書いているで、少年みたい。2020-02-23 17:32:02 GMT+9:002020-02-23 17:32:02 GMT+9:00
「マノン」 3幕をどう踊るかも様々で、流刑地でもやる気満々のマノンもいると思うのだが、今日は最初から死相が浮かんでいて、ジゼルの狂乱と死後のジュリエットを足したような状態が延々と続く壮絶さ。 こういう言い方もなんですが、あの米沢さんが、男なしでは全く踊れない、ように見えるんです。2020-02-23 17:35:30 GMT+9:002020-02-23 17:35:30 GMT+9:00
「マノン」 沼地は、こんなに死んでるマノンも、こんなに自律的でない米沢さんも、はじめてみたのでは、という。 さすがにダブルツイストリフトだけは自分で走って入る感じがあったけど、あとは全てムンタギロフのなすがままのようで。あのマクミランの振付を、ですよ。神技的なパートナーシップ。2020-02-23 17:57:15 GMT+9:002020-02-23 17:57:15 GMT+9:00
「マノン」 米沢さん、今はとても充実していると思う。 ガラでよく見る作品ではあるのだが、全幕はガラとは違う見せ方があるという見事な実践。 寝室は普通より硬く、沼地は普通より死体寄りで踊ってる印象で、どちらもそこだけ切り取ったら少し半端なんだろうけど、通しで対比させる事の効果が強い。2020-02-23 18:04:04 GMT+9:002020-02-23 18:04:04 GMT+9:00
「マノン」 すごく良かったんだけど、台無しにしてしまいそうな感想も。 話自体を要約すると、女王様がバカな飼い犬に手を噛まれて破傷風になって死んでしまった、という感じではあるよね。 自分にとっては、男女の愛欲のドロドロより、よっぽど切ない話なんだけど、文章にするとちょっと酷いな(笑)2020-02-23 18:08:24 GMT+9:002020-02-23 18:08:24 GMT+9:00
「マノン」 マダムの本島さん、ムッシューGMの中家さん、看守の貝川さん、皆様よかったのだけど、シングルキャストなのは残念。若手に成長する機会を与えるといいのに。 中家さん貝川さんはもっと変態っぽくてもよかったかな。 あ、でも、今日のバージョンで看守の変態性が増すと、あまりに陰惨かも。2020-02-23 18:31:22 GMT+9:002020-02-23 18:31:22 GMT+9:00
「マノン」 レスコーは木下くん。悪人というより、若さでヤンチャしてる、物知らずだからこその恐れ知らず。 全体的には良かったのだが、酔っ払いがね。難しいテクニックやサポートで体の軸がしゃんとしちゃうから、実はシラフだろと。 妹に酒を止められて、ちょっとだけって頼んでたのは可愛かった。2020-02-23 18:38:06 GMT+9:002020-02-23 18:38:06 GMT+9:00
「マノン」 レスコーの愛人は木村さん。めぼしい男には次から次へと秋波を送るが、自分の安売りはしない。こういうガッツのある女性はすごく似合うと思います。 レスコーとの関係性は完全に姉さん女房で、選り取り見取りなのに、ダメンズに引っかかるタイプ。 木村さんのマノンも面白そうだよね。2020-02-23 18:42:47 GMT+9:002020-02-23 18:42:47 GMT+9:00
「マノン」 今日見てて面白かったのが娼婦のシーン。実は、男性が選別される描写がかなりあるんだな。若くて見栄えがよい男と年寄りでは、完全に対応が違う。男の価値が金や地位ではなく、娼婦と同じように外見で評価されるという。 ここらへん、マクミランの感性なのかなと思うんだけど、どうだろう。2020-02-23 18:58:03 GMT+9:002020-02-23 18:58:03 GMT+9:00
「マノン」 米沢マノン、ムッシューGMから貰ったローブを羽織った後、何度も裾を翻す動きをする。それが自分には、豪華な衣装を楽しむ姿ではなく、高い地位を持つ者の動作練習に見えたのだった。 王冠をかぶったら、自分が王妃になれると思う人と、自分が女王になれると思う人がいて、後者。2020-02-25 00:50:55 GMT+9:002020-02-25 00:50:55 GMT+9:00