2021.10.09
人はいつでも夢想する」「ブレルとバルバラ」「ボレロ
モーリス・ベジャール・バレエ団
東京文化会館
バレエ
モーリス・ベジャール・バレエ団、2021年日本公演。 公演タイトルがないのかな? 演目は「人はいつでも夢想する」「ブレルとバルバラ」「ボレロ」のトリプルビル。 子供文化芸術活動支援事業という事で、無料招待があり、かなり低年齢までの子供さんもいらっしゃるのだが、上演中は非常に静か。 https://t.co/o22ZiXgZJa2021-10-09 16:55:39 GMT+9:002021-10-09 16:55:39 GMT+9:00
今日の目当てはファブローの「ボレロ」だったのだが、素晴らしかった! 他の2演目もよくて、とても満足な公演でした。 「ボレロ」は形容に困るのだけど、渾身の? 全身全霊の? 120%の? うーん、どれも違う気がするんだよな……。 なんというか、ファブローの全部が詰まっていたようなボレロでした。2021-10-09 17:12:12 GMT+9:002021-10-09 17:12:12 GMT+9:00
ベジャール・バレエ団トリプルビル。 最初は、ジル・ロマン振付の「人はいつでも夢想する」、1時間10分。 これが予想外に好みだった。予想外というと失礼ですが、前回来日のロマン振付作品とは何かが違って自分にヒットしたみたい。なんとなく萩尾望都の SF みたいなイメージだった。2021-10-10 00:33:10 GMT+9:002021-10-10 00:33:10 GMT+9:00
「人はいつでも夢想する」 ただ、これ、自分には全然覚えられないタイプの作品だと思う。明確なストーリーはないので、記憶の中からあっという間に抜け落ちていく気がする。 逆にいうと、反芻できないタイプの体験だからこそ、舞台に何度も通うという側面もあるわけですが。2021-10-10 00:36:51 GMT+9:002021-10-10 00:36:51 GMT+9:00
天使たちの役に岸本さんが。男トロワのセンターで、とてもよかったです。 あと、マシュー・ボーンのスワンで4羽をやってそうなボウズの小さい男性がいて、つい目を引かれたのですが、踊りもなかなかでした。名前がわからない……2021-10-10 00:41:55 GMT+9:002021-10-10 00:41:55 GMT+9:00
自分はベジャールはあまりよく分かっていないのですが、ジル・ロマンの振付は、いわゆる「ベジャール的」と言われそうなものとは離れている気がする。 今回は、とても精密な手振りが印象的だったのだが、あれ、遠方からだとどれくらい見えるんだろう? 表現のサイズが小さめの箱用かなと思ったりして。2021-10-10 00:44:11 GMT+9:002021-10-10 00:44:11 GMT+9:00
ベジャールの作品って、角度の正確さなんかよりは、表現のツボを押さえる事が「らしさ」につながる、ような気がするんだけど、ロマンの作品にはピンポイントでポジションを決める事の美しさみたいなものを感じて、両方の作品を踊るダンサーの大変さに思いを馳せたりしちゃった。2021-10-10 00:47:46 GMT+9:002021-10-10 00:47:46 GMT+9:00
休憩をはさんでベジャールの「ブレルとバルバラ」。 自分のベジャールのイメージの中では、都会的な印象の作品で、ジル・ロマンはここらへんが好みなのかもと思ったりして。 最後のパートの大橋真里さんが、シャープで美しかった。2021-10-10 00:54:51 GMT+9:002021-10-10 00:54:51 GMT+9:00
フィナーレでは群舞が黄色のチューブドレス(?)になるのですが、どうやら扱いがかなり難しいみたいで、ファヴローが下まで下ろせず超ミニになっていたり、大貫さんが脱いで着直してたりしていた。2021-10-10 00:57:06 GMT+9:002021-10-10 00:57:06 GMT+9:00
ファヴローとペアで踊っていた方、キャスト表からみるとソレーヌ・ビュレルかな? 寝転がったファヴローが腕だけで腰を支えるリフト、ピタッとはいってポジションも素晴らしく美しかった。 同じ振付が2回繰り返されるのだけど、ポジションは微妙に違っていたような。どちらも美しかった。2021-10-10 01:03:43 GMT+9:002021-10-10 01:03:43 GMT+9:00
「ブレルとバルバラ」では、ファブローも結構踊るし、ロスにいたってはメインロールなわけですが、なんと、たった3分の転換で「ボレロ」なんですよね。 最初の演目でも踊っているわけで、体力自慢の若者ならいざ知らず、超ベテランクラスにもそういう事をやらせるのかと妥協のなさに感心してしまう。2021-10-10 01:08:27 GMT+9:002021-10-10 01:08:27 GMT+9:00
ファヴローの「ボレロ」は、3度目なのだが、毎回全然イメージが違う。 今回は、イメージが固定しないというか、パートごとに全然違った色が見えて。最初はかなりゆったりとスタートして、頭上で手を返す部分も比較的遅い。 真摯な表情で朴訥に踊っていると思ったら、一瞬で色気がダダ漏れになったり。2021-10-10 01:14:51 GMT+9:002021-10-10 01:14:51 GMT+9:00
こういうのを両性具有的なと言うと、ジェンダー問題にひっかかりそうな気もするので表現に困るのですが、雑に言ってしまうと、男の色気のパートと女の色気のパートがあって、斜めアングルでシナを作った途端に「女の色気」が炸裂するみたいな。一瞬なんだけど、国が傾くレベルのやつが。2021-10-10 01:21:46 GMT+9:002021-10-10 01:21:46 GMT+9:00
3演目連続出演だからというのもあるのだろうけど、疲労しているように見える瞬間もあって。 多分、若い時だったらそこを押して踊ってたのではないかと思うのだけど、今回はそれを表現に組み込んでいるんだと思った。脱力系の振りに疲労感を重ねてあって、一瞬ギョッとするぐらいに力が抜けて見えたり。2021-10-10 01:24:59 GMT+9:002021-10-10 01:24:59 GMT+9:00
ものすごく今更なんだけど、この役は「メロディ」なんだなと。 これは自分の音楽センスのなさなのですが、ボレロのメロディってずっと同じなんだと思っていたわけですよ。だけど、今日見ていて、同じ旋律をオーケストレーションで違うメロディとして表現してるんだなという事に気づいたという。2021-10-10 01:28:00 GMT+9:002021-10-10 01:28:00 GMT+9:00
しかし、「ボレロ」ほど、ここをこう踊るのか! と思う事の多い作品もないような。 生で見るの20回近くなってると思うのだけど、今日のファヴローは特に、各パートをさまざまな色で踊っているように見えて、こんなニュアンスにもなるんだという驚きが多かった気がする。2021-10-10 01:34:23 GMT+9:002021-10-10 01:34:23 GMT+9:00
終盤は、体力的にギリギリだったのかもしれないが、かなり声を出していて。手を前に出す時とかに「ハッ」というような気合が。 そういうのを見せちゃうのって、個人的にはマイナスに感じることもあるのですが、今回はそこまで含めて全体の表現を構築しているんだと思ったのでした。全部を見せる。2021-10-10 01:39:24 GMT+9:002021-10-10 01:39:24 GMT+9:00
踊り終わったカーテンコール、写真だとわからないと思うのですが、上半身が真っ赤で。側面とかはそうでもないのだけど、胸から腹が、サウナ出てきたばかりか! ぐらいの勢いで紅潮していた。 カーテンコールの回数を重ねるうちにだんだん引いていったのだけど、あんなになるものかと。2021-10-10 01:43:07 GMT+9:002021-10-10 01:43:07 GMT+9:00
体力的にはギリギリを攻めていたと思うので、渾身のとか、全身全霊のとか、そういう形容を思いついたりはしたのだけど、ちょっと違うイメージで。 えーっと、なんというか、そこらへんの単語って、ちょっと知性にかける感じありませんか? そういう踊りじゃなかったと思うんだよな。綿密な計算もある。2021-10-10 01:48:32 GMT+9:002021-10-10 01:48:32 GMT+9:00
自分の疲れを観客もわかっているという事を利用して疲労感を踊ってみせる、というだけではなくて、他の部分では全く疲労を押して踊っているようにはみせない、というのを組み合わせてあるので、ただ一生懸命頑張っていますという浪花節にはならないわけですよ。 瞬間瞬間で見えるものが違う。2021-10-10 01:55:50 GMT+9:002021-10-10 01:55:50 GMT+9:00
曲としてのボレロは、同じ旋律をさまざまな楽器の組み合わせで違う色に塗り分けるわけですが、それを1人で踊り分けるというのを見せてくれたということかもしれない。 フルートのファヴローもいれば、チェロのファヴローもいて、ファヴロー全部入りのボレロ、というか。2021-10-10 02:00:57 GMT+9:002021-10-10 02:00:57 GMT+9:00
BBL の「ボレロ」をみて気になったのだが、本家では若い子にも踊らせてるのだろうか? というか、そもそも日本公演以外でどれくらい「ボレロ」やってるのかな? リズムの人数の問題で、BBL だけでは「ボレロ」が上演できないと思うのだ。今回も16人補充していたわけで。2021-10-10 10:30:16 GMT+9:002021-10-10 10:30:16 GMT+9:00