2021.10.24
白鳥の湖
新国立劇場バレエ団
新国立劇場オペラパレス
バレエ
新国立劇場バレエ団「白鳥の湖」@新国立劇場オペラパレス、幕間。 吉田都監督肝入りのシーズン開幕演目は、ピーター・ライト版。 群舞の白鳥勢がすごかった。かなり複雑なフォーメーションが続くのだけれど、大2小4を合わせて30羽、パーフェクトとは言わないが、移動軌跡がズレても10cmみたいな精度。 https://t.co/3lIUiIUFfS2021-10-24 15:22:57 GMT+9:002021-10-24 15:22:57 GMT+9:00
「白鳥の湖」3幕。 新制作での豪華な衣装に見応えのあるディヴェルティスマン、そしてそれを全部ブッ飛ばすぐらいに小野オディールがすごかった!! 登場シーン、ぜひオペラグラスで見ていただきたいのですが、上手の人々を睨め付け、下手の人々を睨め付け、ニヤリと太い笑みを浮かべるんですよ。2021-10-24 16:28:57 GMT+9:002021-10-24 16:28:57 GMT+9:00
あの笑み、十二国記だったら尚隆か驍宗ですよ。それも、血塗れでもおかしくないぐらいの。 その後は、演じる役柄の妖艶な笑みに変わって階段を降りてくるわけですが、その後もオディールとして演技をしているというのが良くわかるんだよな。婚約者候補3人を顔色なからしめる次期女王の振る舞い2021-10-24 16:33:31 GMT+9:002021-10-24 16:33:31 GMT+9:00
オデットの真似をするシーンもすごくて、小野さんがオデットっぽく踊ってる、のではなくて、オディールが憑依系の演技者としてオデットを演じている、というふうに見える。 オディールが意識を集中して、フッとオデットの役に入る瞬間があるんだよね。2021-10-24 16:36:03 GMT+9:002021-10-24 16:36:03 GMT+9:00
オディールとはどういう女性か、というのを、普通は王子の誘惑者として形作るじゃないですか。そうではなくて、王子を誘惑するという仕事を与えられる前のキャラクターを造形した上で、その人物なら王子を誘惑する時にどういう表情を作るか、という多重構造が徹底されていると思った。2021-10-24 16:39:41 GMT+9:002021-10-24 16:39:41 GMT+9:00
「白鳥の湖」終演。 素晴らしかった! それなりに古典の白鳥は見ているつもりだが、これは世界に誇れるプロダクションだと思う。実は、吉田芸術監督が就任直後の演目にこれを選んだと発表された時には、何も白鳥、それも古い版のリバイバルやらなくてもと思ったのだが、反省しまくりです。見事な開幕。 https://t.co/5fexzooUOX2021-10-24 17:28:01 GMT+9:002021-10-24 17:28:01 GMT+9:00
さまざまな白鳥の版の中で、新国立のあれだけ踊れてあれだけ揃えられる群舞と、あれだけ踊れてあれだけ演じられるプリンシパルを活かすなら、演劇性が高く、フォーメーションが複雑なピーター・ライト版というのは、納得の選択。 と、結果を見れば簡単に言えますが、これは吉田監督の慧眼だよな。2021-10-24 17:38:06 GMT+9:002021-10-24 17:38:06 GMT+9:00
3幕ラストの小野オディールが超絶楽しそうで、まさに足に羽が生えたかのごとくに呵呵大笑しつつ去っていったので、きっと何か過去の因縁があって復讐遂げたパターンでしょ、もう今回はオディールの一人勝ちでいいでしょ、ここで終わっても大満足だよ、と思っていたわけなんですが。2021-10-24 17:42:39 GMT+9:002021-10-24 17:42:39 GMT+9:00
4幕がこれまたすごくて。 白鳥はそれなりの回数見てると思うのだけど、4幕冒頭で観客席から自然に拍手が出たのは初めての体験だと思う。4幕の白鳥勢はパーフェクトと言ってよかったのでは。あれは上の階からも見てみたい。 ピーター・ライト卿も、この実演を見たら、非常に満足していただけるのでは。2021-10-24 17:45:31 GMT+9:002021-10-24 17:45:31 GMT+9:00
いや、でも、これは、ピーター・ライト版だけど、ピーター・ライト版吉田都スペシャルエディション、という気もする。 古典の白鳥を、古典のまま捻らずに、こうやって見せられるというのが、吉田芸術監督の目指す新国立劇場バレエ団のひとつの側面なんだろうな。2021-10-24 17:49:53 GMT+9:002021-10-24 17:49:53 GMT+9:00
ピーター・ライト版は、プロローグが先王の葬列なので、これ、ハムレットなのか! と思ったりして。 そう思うと、ベンノはホレイショーですかね。 小野オディールは、薔薇戦争ぐらいのバックグラウンド背負って王宮に乗り込んできていてもおかしくないと思う。2021-10-24 18:08:47 GMT+9:002021-10-24 18:08:47 GMT+9:00
新国立の「白鳥の湖」は、感想が山ほどあるので、思いついたことからダラダラと書いちゃいます。 細部の設定に特徴的な部分があるプロダクションなのだが、おいおい現代にこれやって大丈夫か? みたいなのもあったりして。2021-10-25 00:07:09 GMT+9:002021-10-25 00:07:09 GMT+9:00
1幕のトロワを、ベンノとクルティザンヌ(高級娼婦)にしてあるんですよ。すごくないですか? 接待で風俗行って、選りすぐりの2人を呼んで、好きな方を選んでください、俺は残った方とやりますから、ってやつ。 自分はそこら辺の文化に縁がないんですが、一緒に風俗行くのって、「男の絆」の一種なの?2021-10-25 00:07:10 GMT+9:002021-10-25 00:07:10 GMT+9:00
トロワに入るあたりで他の女性が消えて、王子、ベンノ、娼婦2人、友人6人貴族6人の、うっわーという状況に。 ところが、後ろの男性陣は移動したり話したりを繰り返して、いつの間にか2人×6組になるのです。 え、まってまってまって、後ろの方々も今夜のお相手探してうまくまとまったの? と妄想(笑)2021-10-25 00:13:02 GMT+9:002021-10-25 00:13:02 GMT+9:00
ちなみに、王子の友人たちは王子の狩りに付き合わされるので、貴族同士の組以外はどうにもならなかったみたいです、などという事まで考えてしまった(笑)2021-10-25 00:14:11 GMT+9:002021-10-25 00:14:11 GMT+9:00
今日は小野奥村組。初めてみる組み合わせなのだが、相性はかなりよさそうな。 小野さんの腕の羽っぷりが素晴らしく、奥村さんのサポートもよくあっていた。 2幕では、童話の王子と王女、恋に落ちるのが当然、というような2人でした。ただ、その分、キャラクターとしての面白みには欠けるかなという。2021-10-25 00:19:05 GMT+9:002021-10-25 00:19:05 GMT+9:00
3幕は王妃候補として、ハンガリー、ポーランド、イタリアの王女がやってくるんですが、設定というか衣装がめっちゃ気持ち悪いんだよね。 ぱっと見ではすごく似てるんだけど、細部がかなり違う衣装。どういう指定をしたらああいう衣装着てくるんだよと思うと、同じデザイン渡してあるとしか思えなくて。2021-10-25 00:24:43 GMT+9:002021-10-25 00:24:43 GMT+9:00
女性3人並べて1人を選ぶ際に、着てくる洋服のデザインまで指定して、体型や踊りの見え方は一緒になるようにして、しかも、デザインを実物に起こす能力財力は見極めるという、いやー、人肉売り場とはいえそこまでやりますか、みたいな怖さがありまして。 かなり強いメッセージだと思う事も可能だよな。2021-10-25 00:28:39 GMT+9:002021-10-25 00:28:39 GMT+9:00
一方で、そういう衣装を着せられていても、3人の王女(細田さん、池田さん、五月女さん)は、完全にそれぞれ独自の色の踊りを踊りまして、皆様素敵だった。 社会からはめられる枠と、それを乗り越える事、と思ったりしてもいいんだろうか、などと考えてしまった。2021-10-25 00:30:39 GMT+9:002021-10-25 00:30:39 GMT+9:00
小野オディールは、登場時に一瞬激烈な表情がありましたが、そのあとは抑え目というか、いわゆる悪女にはつくらない感じが良かった。 少し本島王妃に似た雰囲気を感じるシーンがあって、あー、これ、王子のマザコンポイント狙い撃ちだなと感心したりして。 そして、とにかく生き生きしてたなぁ。2021-10-25 00:35:10 GMT+9:002021-10-25 00:35:10 GMT+9:00
グランフェッテはほとんどシングル。最初から1/4, 1/2 のところだけダブルかな? そういうダブルの入れ方、珍しいと思うのだけど、曲の捉え方としてはとても納得。 ガラだったら、物足りない感じではあるのだけど、全幕だと別に難度を求めてるわけじゃないから、となりますね。2021-10-25 00:37:25 GMT+9:002021-10-25 00:37:25 GMT+9:00
オディールは最後の部分がまさに快哉という。 身ひとつで王宮に乗り込んで、何にも頼らず、自分の気力体力演技力だけで全てを破壊して去っていくなんて、もう堪らないでしょ。 なぜか今日はシェイクスピアが脳裏によぎるのだけど、例えば、リチャード三世大成功バージョンみたいな。2021-10-25 00:42:01 GMT+9:002021-10-25 00:42:01 GMT+9:00
そういうわけで、オディール派の気分になっちゃったので、4幕はどうなんですかねぇ、みたいな気持ちもあったのだけど。 前半は群舞の力をつかって盛り上げて、そして、後半部分ではオデットとジークフリードがとても良かったのでした。2021-10-25 00:47:42 GMT+9:002021-10-25 00:47:42 GMT+9:00
王子登場の音楽がとても好きなのだけど、奥村さんは動きがとてもエモーショナル。走ったり、止まって宙に腕を伸ばしたり、という部分にも感情が見える。 前にリアム・スカーレットが、首を垂れて許しを乞うシーンに、一生で最大の sorry、みたいな事を言っていたと思うのだが、まさにそれだった。2021-10-25 00:47:42 GMT+9:002021-10-25 00:47:42 GMT+9:00
こういう事をいうとアレだとは思うんですが。 オデットって、ただ誰かが助けてくれないかなぁと待ってたら、ちょうどよく王子が恋に落ちてくれて、助かるかな〜と期待していたらオディールにかっさらわれて、もう絶望したから死ぬとか言い出す、言ってしまえば、自分じゃ何もしない女じゃないですか。2021-10-25 00:51:18 GMT+9:002021-10-25 00:51:18 GMT+9:00
小野オデットもそうなんだけど、王子と再会して、彼を許して、その後のわずかな時間に、主体的に自分の道を選択して、自分で行動する人間になったのだと思ったのでした。 2幕ではキャラクターが弱かったのに、最後にはロットバルトに毅然として立ち向かえる強さを獲得するまでの成長を遂げる。2021-10-25 00:57:23 GMT+9:002021-10-25 00:57:23 GMT+9:00
自分は、ストーリー展開としては、恋愛ものよりも、成長ものに惹かれるわけですが、その部分を満足させてくれたのでした。 小野さんって、時々、短い踊りの中に人としての成長みたいなものを盛り込んでくるよね。何をどうやるとそういうことができるのか、全然わからないのだけど。2021-10-25 01:00:12 GMT+9:002021-10-25 01:00:12 GMT+9:00
そういうわけで小野オディールも爽快だったけれど、小野オデットにも心を掴まれたのでした。 奥村さんとは、演技としての相性も良かったような気がする。2人とも繊細な心の移り変わりを見せるのがうまくて、そこがきちんと呼応することで道行のせつなさが。2021-10-25 01:04:48 GMT+9:002021-10-25 01:04:48 GMT+9:00
この版はラストも特殊で、最後の最後がベンノなんだよね。 今日はオデットとジークフリードの絆が強かったのですが、キャストによっては三角関係っぽくなる作りだと思う。 え、まてまて、そう考えると、あの後、ベンノがフランケンシュタイン(ミュージカル版)というコースもあり得るのか。2021-10-25 01:12:38 GMT+9:002021-10-25 01:12:38 GMT+9:00
4幕の冒頭は、かなり驚いたのだけど、BRB でもああいう演出だったっけ? 量の問題かな。今日は完全に見えなくなっていたので、うわっ!! と。 ところで、あれ、安全性は大丈夫なんだろうか、というのはちょっと心配になった。2021-10-25 01:17:00 GMT+9:002021-10-25 01:17:00 GMT+9:00
新制作でセットも衣装も豪華。じっくり見たいので衣装の展示してくれないかなぁ。 ただ、勘違いだったら申し訳ないのだけど、プリントの布地を使ってるのか、ペラい感じのする部分が。 一方、チャルダッシュのスカートは、あれ、もしかして全部別布接いで模様作ってるの? というような質感に見えた。2021-10-25 01:25:11 GMT+9:002021-10-25 01:25:11 GMT+9:00
ロットバルトのかけた呪いの、術者が死ぬと永遠に解けなくなるという属性、かなり珍しいと思うのだけど、どういう系統の魔法なんだろう。 あれ? ロットバルトを倒すバージョンでは、そこらへんどうなってるんだっけ? 愛の力! と言いながらロットバルトの片翼引きちぎる脳筋王子とかのやつあるよね。2021-10-25 01:45:24 GMT+9:002021-10-25 01:45:24 GMT+9:00