2022.05.22
ロビー・ヒーロー
新国立劇場小劇場
演劇
「ロビー・ヒーロー」@新国立劇場小劇場。 「マンチェスター・バイ・ザ・シー」のケネス・ロナーガンの2001年の戯曲。高級マンションのロビーが舞台の4人芝居。 2002年のUK 版ではデイヴィッド・テナントが警備員のジェフを、2018年のブロードウェイ版ではクリス・エヴァンズが警官のビルをやったと。2022-05-22 16:28:20 GMT+9:002022-05-22 16:28:20 GMT+9:00
今日のキャストもなかなか見応えがあってよかった。 スッキリしないままで終わるしかない話ではあるんだけど、個人的には、そのラストはやだなーと。 「マンチェスター…」でも思ったんだけど、女性の描き方がエグいよね、ケネス・ロナーガンは。あー、女のこういう所無理無理、って感じの造形する。 https://t.co/HvqPb1Helv2022-05-22 16:32:20 GMT+9:002022-05-22 16:32:20 GMT+9:00
20年以上前の作品なんだけど、一つのテーマはトキシック・マスキュリニティだと思う。登場人物が警備会社から2人、警官が2人で、どちらも年上の方は男男した男で、それぞれの社会の歪み方を見せられたり。主人公のジェフが、男集団のこういう感じやだよねー、という話をしたりも。2022-05-22 16:39:48 GMT+9:002022-05-22 16:39:48 GMT+9:00
それで女性はどうなんだっていうと、「なんで笑ったの?」なんてセリフをぶち込んでくるわけですよ、ロナーガンは。あの一瞬の表情で、四人の中で誰が一番卑劣なのか対決で、一気にポイント稼いじゃうじゃないですか。 もちろんジェフも見逃してはもらえなくて、自分の身を守るために嘘をつくわけで。2022-05-22 16:58:59 GMT+9:002022-05-22 16:58:59 GMT+9:00
誰も彼もが少しは卑劣なところがあるわけで、それが絡まっちゃうと、こういうゴタゴタが起きてしまうという、よくできた芝居でした。 誰が正しいわけでもなく、それぞれに気持ちが寄り添う部分もあり、「声 議論, 正論, 極論, 批判, 対話...の物語」というシリーズの第二弾にふさわしい話だった。2022-05-22 17:02:48 GMT+9:002022-05-22 17:02:48 GMT+9:00
終わってから考えると、バランス調整が非常にうまくて。 完全にダメな事をしているウィリアムが一番高潔で、「正義」の側にいるドーンが一番卑劣に見える部分もあるという。 そうしておかないと天秤が傾いちゃうもんな。今回、自分はウィリアム派でしたが、正直、役者さんがかっこよかったせいもある。2022-05-22 17:07:33 GMT+9:002022-05-22 17:07:33 GMT+9:00