2023.05.20
エンジェルス・イン・アメリカ 第二部 ペレストロイカ
新国立劇場小劇場
演劇
第二部「ペレストロイカ」幕間。 第一部に比べて面白いような。戯曲として動きがあるし、天使とかマネキンとかのギミックもあるし、というおかげもあるだろうけど。 ルイスとジョーの部分は、もうちょっと解釈に深さが欲しいなぁとは思うんだけど、そこが求められる演出家や座組でもないよね。2023-05-20 19:07:23 GMT+9:002023-05-20 19:07:23 GMT+9:00
「エンジェルス・オブ・アメリカ」終演。 後半は演劇としてはなかなかよかった。 まだ整理がついてないんだけど、第一部はゲイの話がメインなんだけど、第二部はそうじゃない作り方が可能だから、という理由がありそうな気もする。ただ、そういうことするのねーという話でもあって、微妙なモヤモヤも。2023-05-20 21:41:48 GMT+9:002023-05-20 21:41:48 GMT+9:00
今回のプライアー、天国でも、エピローグでも、「普通の男性」の喋り方をするじゃないですか。 その間の、病室のベッドでルイスと話す時だけオネエ系になる。 これ、プライアーのゲイとしてのアイデンティティをどう理解したら、そういう演出になるのか、というのは、ちょっと不愉快ではあるんだよね。2023-05-20 21:44:38 GMT+9:002023-05-20 21:44:38 GMT+9:00
例えば、ベタな東北弁のキャラが、本当に真剣になるポイントのシーンでは、観客にわかりやすく役者もやりやすい標準語になる、みたいな演出つけたら、うっわー、キャラ付けとして便利に使われてんなー、みたいな話になると思うわけですよ。 そういう感じを受けるんだよね、今回のプライアーの演出。2023-05-20 21:55:19 GMT+9:002023-05-20 21:55:19 GMT+9:00
ゲイには特に興味なさそうな上村聡史さんが、何故この作品を選んだのかなと最初は思ったのだけど、そうだ、ロイ・コーンとジョンが擬似父子だから、そこが上村さん的ポイントなのかなと。 そういう偏見で見ていたせいもあるのか、2人の最後のシーンは、大変に力が入っていたと思います。2023-05-20 22:00:45 GMT+9:002023-05-20 22:00:45 GMT+9:00
水夏希さんの天使、荘厳なカッコよさと共に、お茶目なところも、ヘタレ系の可愛さまで併せ持つという、反則なぐらいに素敵でした。 うわー、天界って、ああいう天使のキスで人間落としまくるわけねー、それは逆らえませんよー、という。2023-05-20 22:04:58 GMT+9:002023-05-20 22:04:58 GMT+9:00
天使、フライングがあるのでワイヤーのつけ外しをするんですが、黒衣装のスタッフさんがトコトコとやって来て付けたり外したりするんだよね。 天使の存在感が凄いだけに、その後ろにやってきて、ワイヤー外して、二つ一組に繋いで、指一本立てて上昇の合図して、帰っていくのがシュールで面白かった。2023-05-20 22:08:20 GMT+9:002023-05-20 22:08:20 GMT+9:00
山西さんのロイ・コーン、後半はよかったというか、後半重視でのキャスティングなんだろうな。 自分の解釈としては、前半と後半、両方揃ってのギャップ萌えがロイ・コーンなので、そういう意味ではちょっと残念なところは残りますが。2023-05-20 23:16:20 GMT+9:002023-05-20 23:16:20 GMT+9:00
鈴木杏さんのハーパー、演出的にはうるさすぎる感じはありつつも、よかった。 天国を出るところ、ジョーを捨てて去るところ、どちらもとてもいい表情が見られて、この舞台の結末の明るさの片方を担ったとおもう、下手前方じゃないとよく見えない気がして、そこはもったいないなーと。2023-05-20 23:22:00 GMT+9:002023-05-20 23:22:00 GMT+9:00
ゲイ表象に関しては、基本的に雑なんだけど、その中で浅野雅博さんのベリーズはなかなか。 ただ、この役は、そもそもマジカルブラックオカマ枠で、戯曲のレベルからゲイ表象としての微妙さを孕んでいるという部分があって、褒めていいのかどうか困ったりはする。2023-05-20 23:26:54 GMT+9:002023-05-20 23:26:54 GMT+9:00
今回、難しい役だなぁと思ったのがルイスとジョー。 どちらもかなりのクソ男で、それをゲイであるという事と結びつけてキャラクターを構築し、さらに外側に見せるゲイ度合いを調整するというのが必要だと思うのだけど、そういうゲイの細かいバリエーション表現が日本ではまだ発達してないような。2023-05-20 23:38:17 GMT+9:002023-05-20 23:38:17 GMT+9:00
プライアーの岩永達也さん、オカマ喋りでシナを作った動作をするところはステレオタイプではあるものの結構よかったし、終盤の死と隣り合わせの青年の姿は心に残ったのですが、演出としてその二つが別々の枠になっている印象だったのは、残念な感じでした。2023-05-20 23:48:28 GMT+9:002023-05-20 23:48:28 GMT+9:00
那須佐代子さんのハンナ、よかったんだけど、バランスとしては微妙に思える。あれだけの強さがあるのに、息子にはその力の恩恵を全く与えなくて、自分だけイキイキした人生送ってますねー、みたいなラストになっちゃうから。 ラビとボルシェビキはなんか苦手だった。なんでだろう?2023-05-20 23:55:17 GMT+9:002023-05-20 23:55:17 GMT+9:00
翻訳は小田島創志さんの新訳。 実は 1/3 ぐらいまでは原文を読んでから行ったのだけど、翻訳はとても難しい戯曲だと思う。 ゲイ文化に限っても、日本では馴染みのない事を別のことに置き換えないわけにはいかないんだけど、それで他の部分とのつながりが保てなくなる、みたいな。2023-05-21 00:41:57 GMT+9:002023-05-21 00:41:57 GMT+9:00
ルイスの公園ハッテンシーン、あれはロイとジョーのシーンと同じ空間で同時に演じられていて、どちらも父と子の関係をなぞっているという構造のはずで。 でも、bad boy と sir というプレイをわかりやすい日本語セリフにするのは至難の業だよな。 まぁ、今回の演出は翻訳以前にダメダメでしたけど。2023-05-21 00:48:21 GMT+9:002023-05-21 00:48:21 GMT+9:00