2023.08.11
The Artists -バレエの輝き-
文京シビックホール
バレエ
「The Artists -バレエの輝き-」@文京シビックホール、幕間。 前半のガラが大変に満足度が高く、もう、後半に何が来ようとここまででオッケーぐらいの気持ちに。 小林ひかるさんのプロデュースなのですが、男の趣味が良すぎる! そして、その見せ方が素晴らしすぎる!! https://t.co/tKIwYmwcsn2023-08-11 19:32:20 GMT+9:002023-08-11 19:32:20 GMT+9:00
後半2演目はまあそれなりぐらいかな。 タイラー・ペック振付「Harmony in motion」は、他のキャストでも見たいとまでは思わないけど、この6人にピッタリに作ってある、オーダーメイドのシャツみたいな気持ちよさがあって、こういうお祭り用の演目としての完成度がある、ちょっと洒落たプログラム。2023-08-11 20:49:36 GMT+9:002023-08-11 20:49:36 GMT+9:00
ベンジャミン・エラ振付「Joie de vivle」はあまり合わなかった。2人で踊っている部分はまぁいいのだけど、人数が多いシーンの構成というかストーリーというかが、なんか微妙で。ホモソーシャル的な嫌な感じが見えたり、かと思えばクラスレッスンか、みたいだったり。2023-08-11 20:52:51 GMT+9:002023-08-11 20:52:51 GMT+9:00
そして、これはダメでしょと思ったのが、カーテンコール。 最後の作品のダンサーしか出てこなくて、アメリカ組なしで終了なんですよ。 カーテンコール、写真撮影も可なんですが、アメリカ組は撮れないわけですよ。 え? ガラでそんな事あるの? と、かなり驚いたんですが。2023-08-11 20:56:12 GMT+9:002023-08-11 20:56:12 GMT+9:00
というわけで、第一部は花丸ですが、第二部は良と可、カーテンコールは不可、みたいな下降線で。 でも、第一部がすごくよかったので、全体としては満足でした。上演順を逆にして、最後に全員でカーテンコールだったら、もっと印象よかったとは思いますが。2023-08-11 20:59:12 GMT+9:002023-08-11 20:59:12 GMT+9:00
「The Artists」は4種類のプログラムの中から2つ組んで4回やるという、面白いスタイル。今日は The Masters という古典から現代の作品集と、The Future という新作2本という組み合わせ。 このスタイル、選択の自由度があるのはいいが、その分、日程が絞られてしまうというのは欠点でもあり。2023-08-12 00:34:09 GMT+9:002023-08-12 00:34:09 GMT+9:00
The Masters、最初はラトマンスキーの「7つのソナタ」の抜粋を山田さん五十嵐さんで。 かなりチャレンジングな演目だったのではないだろうか。特に女性パートは多様な振付で幅広い表現が要求されているので、あと少しみたいに思う部分もあったけれど、よくやりきったと思いました。2023-08-12 00:43:19 GMT+9:002023-08-12 00:43:19 GMT+9:00
マクミランの「カルーセル」から PDD をマグリとボールで。 ボーイッシュなキャラクターのマグリも大変に可愛かったのですが、なんといってもマシュー・ボールでしたね、これは。 ボールって個人的に役柄へのハマり方の波が激しいのですが、これは、ドンピシャ。演目選定が素晴らしい。2023-08-12 00:46:59 GMT+9:002023-08-12 00:46:59 GMT+9:00
出会って5分で少女の初恋を奪っておいて、もう5分したら彼女を放って去っていくという、なんて男だ! って踊りなんですが、もう、とにかく、めっちゃチャーミングで。 ボールって、真面目系より、なんかこう悪魔的な要素がある役の方がハマる気がするんだよね。今日のは陽気な小悪魔系でした。2023-08-12 00:52:19 GMT+9:002023-08-12 00:52:19 GMT+9:00
パッタリ倒れて、心配して近づいてきた少女の足を掴むというシーンもあったりするんですが。 この路線でアルブレヒトをやってみてくれないかなとか思ってしまった。心臓破れて死んだと思ったでしょー、残念でしたーとか、ミルタに、お姉さまも俺と踊ってみない? とか平然と言いそうな。2023-08-12 00:55:05 GMT+9:002023-08-12 00:55:05 GMT+9:00
「薔薇の精」をブレイスウェルが。 各作品の前にスクリーンに短いインタビュー映像が出るという親切設計なのですが、そこでポール・ド・ブラにこだわったというような談話が。 以前、「精霊の踊り」を何度もやっていたけれど、ここら辺の系統が好きなのだろうか?2023-08-12 00:58:17 GMT+9:002023-08-12 00:58:17 GMT+9:00
本人の談話通り、腕の動きが大変に繊細で見事。 ただ、その分、下半身との調和が妙に気になって。浮遊感で言えば上半身がパックだけど下半身はオベロンの微妙な妖精違いキメラというか、薔薇は薔薇なんだけど植木鉢つきというか、なんとなくズレた印象が残った。2023-08-12 01:03:26 GMT+9:002023-08-12 01:03:26 GMT+9:00
「Who Cares?」をタイラー・ペックとローマン・メヒアで。 バランシンとはどうにも仲良くなれなくて、今日も最初の2人で踊ってるパートでは疲れもあってウトウトしちゃって、本家 NYCB のプリンシパルペアで見てもダメなんだから、仲良くなるの諦めた方がいいのかも的になったんですが。2023-08-12 01:08:49 GMT+9:002023-08-12 01:08:49 GMT+9:00
続くメヒアの男性ソロパートがすっごく魅力的で。アメリカ男の魅力、っていう感じなんだよな。ヨーロッパ的な洗練とは違って、ちょっとだけ野暮ったい部分が残っているのがまたキュート。一発でファンになりました。 バランシンってこんな人だったんですか、仲良くしましょう! となりまして。2023-08-12 01:11:51 GMT+9:002023-08-12 01:11:51 GMT+9:00
でも、男性ダンサーが魅力的だったせいもあるのかなと思いつつ、最終パートのタイラー・ペックのソロになったわけですが、これが、もう、すっごくて。音の取り方が尋常じゃないんだよな。拍の裏どころか 1/8 ぐらいまでの単位を体のあちこちで拾ってる感じ。音楽性という言葉じゃ足りないぐらいの。2023-08-12 01:15:54 GMT+9:002023-08-12 01:15:54 GMT+9:00
一番最後が、対角線を回転で移動してフィニッシュなんですが、技術的にも非常に複雑なコンビネーションに見えるんだけど、それが音を拾ってるというか、音が複雑なコンビネーションを生み出しているというか、そういう踊りで、うへぇ、バランシンってこういう事なんですか、となりました。2023-08-12 01:17:42 GMT+9:002023-08-12 01:17:42 GMT+9:00
チューダー「葉は色あせて」は ABT のキャサリン・ハーリンとアラン・ベル。 振られるカウントダウンがはじまっている大型犬系男性が女性に向ける切なそうな眼差しが印象的な、というか、見返りワンコ姿が大変に可愛らしい、という作品でありました。 ベルにこの演目選んだの、すごいわかってる感が。2023-08-12 01:24:11 GMT+9:002023-08-12 01:24:11 GMT+9:00
「シンデレラ」を金子さんとムンタギロフで。 すっごく良かったんだけど、でも、話はシンデレラじゃなかったかも。 ムンタギロフって、ロイヤルの中でも王子王子した王子じゃないですか。でも、金子さんがそれを上回る位の高さがあって、これはもしや帝国の皇女殿下がお忍びでいらしてますか? と。2023-08-12 01:27:28 GMT+9:002023-08-12 01:27:28 GMT+9:00
最初のバリエーションの部分、どう考えたってさっきまで床掃除していたような町娘じゃないわけですよ、品格が。踊り終わったら、みんなで平伏しなくちゃいけないんじゃないかぐらいの。 美貌もさることながら、兄の皇子たちを差し置いて次期皇帝とも目されている切れ者、と言われても納得します。2023-08-12 01:31:50 GMT+9:002023-08-12 01:31:50 GMT+9:00
というわけで、歴史ある小国の王子と巨大帝国の皇女、ストーリー的にはローマの休日(皇女編)という風に見てしまった部分もあるんだけど、それはそれでとてもロマンチックでもあり、もちろん踊りとしては文句なしで、とても楽しかったです。2023-08-12 01:34:36 GMT+9:002023-08-12 01:34:36 GMT+9:00
最後は眠りのローズ・アダジオをヌニェスと男性プリンシパル4人で。 この部分、誕生日でお披露目されるという微妙なオークション感と、本命抜きの当て馬4匹だけというアンチロマンティック感とがあって、なかなか難しい部分もあると思っているのですが、めちゃくちゃに楽しかった。2023-08-12 01:39:32 GMT+9:002023-08-12 01:39:32 GMT+9:00
女性パートは大変技巧的なはずなんですが、もう、全っ然そんな感じがせず。前半で順番に男性4人の手をとる部分、相手の掌の上に手を乗せるだけなんです。掴んでバランスを取り直したりする必要がなくて、またスッと手をあげちゃう。 踊る事を楽しんでいるという印象が、技術的困難さで損なわれない。2023-08-12 01:44:40 GMT+9:002023-08-12 01:44:40 GMT+9:00
婿候補と踊らされている少女、という感じにならずに、踊ることが好きで、いろんな人と踊れることが楽しい、というのにとても説得力があって、鉄壁の技術力と深いキャラクター解釈の結果だよなと。2023-08-12 01:49:15 GMT+9:002023-08-12 01:49:15 GMT+9:00
そして、男性4人なんですが、第二ボタンまでを開けた白シャツと黒ズボンといういでたちで。基本的には英国組米国組のツーペアなんだけど、4人とも仲良さそうで、結構あちこちでコンタクトしたりおしゃべりしたりと、もうそれだけで眼福でした。みんなに薔薇を配るのはボールが担当。2023-08-12 01:51:35 GMT+9:002023-08-12 01:51:35 GMT+9:00
これはさすがプリンシパル4人だと思ったのは、4人で順番にやる動きに、それぞれ「らしさ」がある事。順番に薔薇を渡して膝を折るところにも、きっちりとキャラクターがある。そして、4人とも座り終わると、綺麗に同じポーズで揃って並んでいるという、多様性と統一感の両立。2023-08-12 01:54:25 GMT+9:002023-08-12 01:54:25 GMT+9:00
と真面目な事も書きましたが、あ、そういえば、眠りって、この4人もまとめて眠らされて100年後送りってバージョンあったよね? オーロラの結婚式に、英国組と米国組と2カップルも同時に挙式でもよろしいんですよの? みたいなこともちらっと考えちゃったりしながら見ていました、ハイ。2023-08-12 01:56:12 GMT+9:002023-08-12 01:56:12 GMT+9:00
こんな感じで、第一部は大変に充実していまして。 ガラでそれぞれの男性の長所をこれだけしっかりとアピールしてくださるのって、結構珍しいと思うので、一番最初の感想が「男の趣味がいい!」になってしまったと、そういう次第でありました。2023-08-12 01:58:16 GMT+9:002023-08-12 01:58:16 GMT+9:00