2023.10.20
かぐや姫
東京バレエ団
東京文化会館
バレエ
これから、東京バレエ団「かぐや姫」@東京文化会館。 今日の公演を収録して、NHK BS で放映予定とのこと。 https://t.co/jFdH2Rpl142023-10-20 19:51:21 GMT+9:002023-10-20 19:51:21 GMT+9:00
「かぐや姫」1幕。 初日で全体的にはややかたいかなという感じもあり、ハプニングもあったけど、初演でなんだなかぁと思った部分があちこち改訂されていて、かなり好みになってました。2023-10-20 22:02:13 GMT+9:002023-10-20 22:02:13 GMT+9:00
竹の精、衣装のビラビラもないし、背景の実写竹もないし、手首の角度も綺麗に入ってました。 戯画化の度合いも弱くなって、かぐや姫が顔を覆って泣くのも、いい塩梅の抽象化に。 舞台が広い感じもなくなって、空間を目一杯使っていた。 そして、月が満ち欠けするようになりました!2023-10-20 22:02:16 GMT+9:002023-10-20 22:02:16 GMT+9:00
初演は動きがもっと古典寄りに見えたのだけど、コンテンポラリーの雰囲気が強く。 特にタイトルロールの秋山さん。振付がすごく変わったわけではないんだと思うのだが、古典を離れた自由さ、のびやかさで、現代の振付家の新作の醍醐味が。2023-10-20 22:02:17 GMT+9:002023-10-20 22:02:17 GMT+9:00
2幕は改訂はあまりないと思うのだが、初演と比べると踊りが研ぎ澄まされた感じ。 冒頭の沖さんの影姫は迫力がさらに増して。暴力的と言いたくなるぐらいの足のエッジの美しさ。 大臣四人はややこし系リフトが多く、影姫の威厳を見せるためには彼らの揺るぎなさが必要なんだけど、立派に決まりました。2023-10-20 22:02:17 GMT+9:002023-10-20 22:02:17 GMT+9:00
帝の大塚さん、めっちゃ気合い入ってる感じで、ひとつひとつの動きがトップギア。 力が入りすぎで、ちょっと制御しきれなかった、みたいなところもあったりして、若き皇帝の焦燥みたいな雰囲気も。 女性PDD は大変に素敵でした。同じ振付をここまで違うニュアンスで踊るのか、というのにもドキドキ。2023-10-20 22:07:07 GMT+9:002023-10-20 22:07:07 GMT+9:00
2幕は、ちょっとかぐや姫の踊りに元気がないかなと思いながら見ていたのですが、道児との再会の PDD で、音楽にあわせて踊りがどんどんと伸びやかになっていって。そうだよ、そうだよね、そういう話なんだよと、大変に満足でした。2幕はとても完成度が高かったと思う。2023-10-20 22:10:30 GMT+9:002023-10-20 22:10:30 GMT+9:00
3幕は、初演なので少し粗いかなと思うところもあったのだけど、グランドバレエのフィナーレに相応しいつくりでした。 カーテンコール、総勢54名かな? 東京バレエ団のプロダクションの中でも、人数ではトップクラスでは。 群舞の方々は衣装替えもあって大忙しかも。総力戦をやりきった感じでした。2023-10-20 22:17:30 GMT+9:002023-10-20 22:17:30 GMT+9:00
3幕、とても美しく、見応えもあったのですが。 話はねー、古典バレエを上回るレベルで男どもがクズでさー、しかも酷い目にあわないんだよー、そんなところで古典バレエ踏襲しなくてもいいんですけどー、みたいなのが。 柄本さんは好きなんですが、このキャラだけはないな、ぐらいの勢いでクズ。2023-10-20 22:22:12 GMT+9:002023-10-20 22:22:12 GMT+9:00
それで、思ったんですけど、「かぐや姫」という恋愛で回収されない話を、こういう家父長制バリバリの形でバレエにしたというのは、批判されてしかるべきだと思う。 金森さん、そこらへんに関しては、本当にオールドスタイルというか、異性愛者のマジョリティ的鈍感さがあるよな。2023-10-20 22:33:35 GMT+9:002023-10-20 22:33:35 GMT+9:00
「かぐや姫」は、今回も見事だったし、再演や海外公演を重ねてさらに磨かれる作品だとは思うんだけど。 でもでも、ラストを、男どもが折り重なって死に絶えている中を、影姫を連れてかぐや姫が実家に帰還というのをやってくれたら一億点だったんだけどなー、とか、しょうもないことを言ってみる。2023-10-20 22:44:45 GMT+9:002023-10-20 22:44:45 GMT+9:00
3幕には道児と帝の踊りもあって。そういえば、火の鳥とフェニックスもこの2人で見たなと。 サイズもスタイルも違うのでビジュアル的にはシンメトリーにならないんだけど、対にして踊らせて見たくなるところがあるかも。2023-10-20 22:56:51 GMT+9:002023-10-20 22:56:51 GMT+9:00
「かぐや姫」は、斎藤友佳理芸術監督の采配も見事だったなと。 金森さんに委嘱する事自体は、名実ともに日本トップの振付演出家ですから、順当かなとは思うんだけど、3回に分けたのがとても良い結果に繋がったと思う。1幕の衣装全とっかえとか、こういう形式じゃなかったら考えられないよね。2023-10-20 23:03:34 GMT+9:002023-10-20 23:03:34 GMT+9:00
あ、1幕で道児がちょろまかす、トマトにしかみえなかった農作物も、目立たない色のなにかに変わっていました。よく見えなかったのだが、なんだったんだろう?2023-10-20 23:09:12 GMT+9:002023-10-20 23:09:12 GMT+9:00
「かぐや姫」 2幕はあまり改訂がないと書いてしまったのだが、自分の昔のツイート読み返したら、結構変えてあるんだな。 詩の朗読が削除で、朗読は疑問があったけど、シーンとしては好きだったので残念に思ったり。3幕を考えるとシスターフッド系削除はしょうがないのか。 https://t.co/WwzVmHvNv02023-10-21 11:24:26 GMT+9:002023-10-21 11:24:26 GMT+9:00
3幕には月の満ち欠けが映像で投影されるシーンがあるのだけど、なぜか妊娠を想起して、うわーうわーと思いながら見ていたら、最終的には、そっちかよ! となりまして。 「月が満ちる」に臨月の意味があるのって日本語特有なのか、世界のあちこちにあるのか気になったのでした。2023-10-21 13:16:52 GMT+9:002023-10-21 13:16:52 GMT+9:00
「かぐや姫」 公演終わったのでネタバレ。 ラストの道児には、他の女との間に赤児がいるのだが、いつできた子なの? というのが気になって。時間経過が明確じゃないのだが、3幕の高速満ち欠けを数ヵ月とすると道児が都にくる前、かぐや姫が一瞬で成長するから、出会う前にすでに妊娠の可能性もある。2023-10-23 20:25:35 GMT+9:002023-10-23 20:25:35 GMT+9:00
どのタイミングが一番クズ度が低いかというのも難しくて。 かぐや姫に会う前ならしょうがない、という話にはならないじゃないですか。1幕冒頭で既に妊娠してるとか無理。 一方で、劇中でかなり長い時間が流れているというのもツラくて。帝とかぐや姫のPDD が何年間も続いてたとかも無理だし。2023-10-23 20:29:37 GMT+9:002023-10-23 20:29:37 GMT+9:00
「竹取物語」は、帝からの求婚すら退ける女の話で。とても古いのに、ヘテロノーマティヴィティ + 家父長制 をベースとした凡百の作品とは一線を画す構造の作品なわけですよ。 それを、かぐや姫は去って、浮気男と適当に結ばれておくのがリアル女の幸福、みたいな物語にするのって、なんなんだろうな。2023-10-23 21:23:51 GMT+9:002023-10-23 21:23:51 GMT+9:00
この事をなんでしつこく書くかというと、マイノリティの話をマジョリティに翻案するというのは、現代では罪が重いと思っているからです。 原典では黒人が主人公の話を、白人演出家が白人の話に翻案したら非難轟々でしょ? 白人俳優でやるのでもギリギリなのに、白人の話に翻案したら完全アウトで。2023-10-23 21:50:32 GMT+9:002023-10-23 21:50:32 GMT+9:00
こういうの、本当は批評のプロの方からの指摘があるのがいいんじゃないかと思うんだけど。 まぁ、日本では難しいんだろうな。そういう形での批評って、ほとんど機能していないというのが実情だと思うし。2023-10-23 21:59:18 GMT+9:002023-10-23 21:59:18 GMT+9:00
お、「かぐや姫」は来年1月放映か。 東京バレエ団のプレミアムシアター登場は「第九」以来じゃないだろうか? それだけ注目の作品という事で。 美しい舞台なので、みなさん、ぜひご覧になってください。 そして、美しいけど話はアレだよねー、と思った方の感想も読みたいです。2023-11-30 18:12:49 GMT+9:002023-11-30 18:12:49 GMT+9:00
「かぐや姫」の全幕は一度しか見てないのだけれど、次に見るときに、どう思っちゃうか自信がなくて。 3幕の月の移り変わりが数ヶ月に見えるから、え、まさか、1幕時点で既にそうなの!? みたいな疑惑があって、それはさすがに無理。 原作準拠なら、帝と会ってから月に帰るまで三年あるみたいですが。2023-11-30 19:13:56 GMT+9:002023-11-30 19:13:56 GMT+9:00
帝や影姫が初登場とラストの間に三年分歳をとったという演出があるかといえば、自分はなかったと思うのです。 っていうか、影姫を三年間あの状態にしておいた上であのラストだったら、それもそれでふざけんなって話になるわけですし。2023-11-30 19:16:31 GMT+9:002023-11-30 19:16:31 GMT+9:00