2024.10.19
ピローマン
新国立劇場小劇場
演劇
「ピローマン」@新国立劇場小劇場、幕間。 センターステージで、舞台が点対称の作りになっているんだけど、舞台前方の小道具が両側で対照的になっていて。 自分は奥側の客席だったので、休憩時間に逆サイドを見に行ってギョッとした。 手前側は兄サイド、奥側は弟サイドなんだな。2024-10-19 20:57:19 GMT+9:002024-10-19 20:57:19 GMT+9:00
「ピローマン」 Wikipediaをみたら、1995年に初期の版のリーディングがあったとの事で、マーティン・マクドナー25歳の時なのか。マクドナーにしてはすごい直球! と思いながら見ていたのだけれど、納得。 演出は小川絵梨子さん。自分的にはなんとなくピンとこないというか、違う演出でも見てみたい。2024-10-19 21:11:47 GMT+9:002024-10-19 21:11:47 GMT+9:00
2幕、○○○○○○○○○○は予想通りだったのだが、○○○○なのには思い至らず、出てきた時に、そうですよねー! それしかないのに気づかなかったよ! と、気持ちよくやられた気分に。 https://t.co/dlNAoTM8nV https://fse.tw/I6PC3Ru2#all2024-10-19 21:16:17 GMT+9:002024-10-19 21:16:17 GMT+9:00
○○○○○なんだから、もしかして○○○○○○○○という展開も可能だと思うのだけど、そっちに行く○○展開を匂わせないのもストレートで嫌いじゃない。 https://t.co/9q4rLE32gM https://fse.tw/JKcqOwz8#all2024-10-19 21:22:30 GMT+9:002024-10-19 21:22:30 GMT+9:00
主人公カトゥリアンは成河くん。あの発言以来、自分の中ではまだ謹慎枠なので、彼のために見に行くのはやらないですが、見たい演目を彼が出てるからキャンセルする懲戒枠ではなく。 演技は悪くなかったし、小川絵梨子さんの期待に応えていただろうとも思うのだけど、自分だったら彼を配役しないかな。2024-10-19 21:26:45 GMT+9:002024-10-19 21:26:45 GMT+9:00
成河くんだと、どうしても、基本的な人格がエキセントリックというキャラクターになるじゃないですか。そうすると、終盤での主人公のこだわりが、まぁ変な人だから変な事にこだわるよね、という話になっちゃうわけで。 自分は、もっと普遍性の高い話として演出して欲しかったというのがある。2024-10-19 21:29:40 GMT+9:002024-10-19 21:29:40 GMT+9:00
ミハエルは亀田佳明さんが降板で木村了さん。それを知って見たせいもあるのだろうが、なんだか亀田さんっぽくて最初は驚いてしまった。演出プランとして亀田さんを当てて作ってたのが、そのまま演じられてる感じなのかな。 劇中の言葉を使えば「白痴」役で、塩梅が難しいのですが、透明感がよかった。2024-10-19 21:50:10 GMT+9:002024-10-19 21:50:10 GMT+9:00
個人的に作品のキーマンだったと思うアリエル役に松田慎也さん。悪くはなかったと思うんだけど、なんとなくピンとこない感じ。演出として、彼のキャラクターをどういう風につくってどういう役割を持たせるのか、という部分が自分の琴線に触れない方向に行っていたという事なんだと思う。2024-10-19 22:07:52 GMT+9:002024-10-19 22:07:52 GMT+9:00
成河カトゥリアンと松田アリエルの両方が、自分だったらそこに作らないんだけどなという路線だったので、ここらへんは小川絵梨子さんと趣味が合わないっぽい。 20年前に長塚圭史さんが演出したバージョンがあるのだけど、今更ながら見てみたかった。カトゥリアンが高橋克実、アリエルは中山祐一朗。2024-10-19 22:15:05 GMT+9:002024-10-19 22:15:05 GMT+9:00
「ピローマン」架空の独裁国家が舞台で全体主義的な警察の取調室での話なのだが、そこらへんのディストピア感みたいなのをあまり感じなかった。 これは、演出がどうというよりは、検事総長が冤罪事件に出すコメントが終わりまくってるような国で生きてるせいで感覚がマヒしてるのもあるよな……2024-10-19 22:59:01 GMT+9:002024-10-19 22:59:01 GMT+9:00
「ピローマン」 今回の小川絵梨子さんの演出、雑に言うとと「甘口」なんだよなと思っていたのだが、リツイートでなるほどと。 空間として閉塞感が全くなくて、全体主義における、権力 vs 個人、みたいな通奏低音が完全に消えてるんだな。 密室内の事が外には出ずに抹消される恐怖、というのがない。2024-10-20 13:46:24 GMT+9:002024-10-20 13:46:24 GMT+9:00
この空間構造は、後半部分の話の核心にも効いていたんじゃないかな。 主人公の小説を、この場で多くの人が聞いているというのが視覚化されてしまっているので、あなたの話は記録に残らなくても多くの人の記憶に残ってますよ、みたいな、絶望を薄めて見ちゃう効果があったと思う。2024-10-20 13:50:23 GMT+9:002024-10-20 13:50:23 GMT+9:00
暴力表現については、最初、アリエルくんは頑張って「悪い警官」役を演じてるけどあまり上手くいってない若手の気のいい刑事さん、みたいな設定なのかと思いながら見てたら、そうじゃなくて、え? あれが本気だった設定なの!? となって。 https://t.co/6PpoON9chj https://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E8%89%AF%E3%81%84%E8%AD%A6%E5%AE%98%E3%83%BB%E6%82%AA%E3%81%84%E8%AD%A6%E5%AE%982024-10-20 13:54:24 GMT+9:002024-10-20 13:54:24 GMT+9:00
これも空間の難しさはあったよな。 普通の舞台だったら、客席側に向かって恫喝すれば、直で客席に怒鳴れるけど、センターステージから怒号一発で両側の客席全員をビビらせる、みたいなのはかなり難しいと思う。 ここはひとつ、吉原光夫先生あたりに模範演技をお願いしてみたい。2024-10-20 13:58:20 GMT+9:002024-10-20 13:58:20 GMT+9:00
あとは成河くんの引き出しの中でも、オドオド系を入れたパターンのキャラだったじゃないですか。そこらへん全ての相乗効果で、刑事が代表する国家権力の怖さよりも、主人公がビビリなんだ、みたいな印象の方に傾いちゃってたと思う。2024-10-20 14:02:37 GMT+9:002024-10-20 14:02:37 GMT+9:00
暴力としては、舞台上では表現されない子供が殺されたという事実が一番強くなっちゃって、その結果として、子供を殺した犯人には同情できなくなっちゃう。 それとは逆に、暴力の連鎖みたいなテーマとしては、フェイクにしかみえない暴力で連鎖の話をされてもね、みたいなところもあって。2024-10-20 14:08:32 GMT+9:002024-10-20 14:08:32 GMT+9:00
今まで書いてきたことは、だからダメ、というのではなくて、あの戯曲に対して演出のそういう選択は自分にはマイルドすぎに感じるというだけの話です。 社会よりも、男同士の個人の関係にフォーカスした演出といえるのかも。みなし BL 悪徳刑事系とかが好きな女性とは相性良さそうな気がしたり。2024-10-20 14:14:43 GMT+9:002024-10-20 14:14:43 GMT+9:00